北海道胆振東部地震、「だいち2号」が観測

2018年9月6日午前3時7分頃「北海道胆振東部地震」が発生しました。当初震度6強の発表でしたが震源地からのデータが来ず、詳しく調べた結果震度7となりました。ニュース映像などで大きな被害の様子を見た方は多いと思います。

北海道胆振東部地震に関してJAXAは 国土交通省などからの要請に基づき「だいち2号」(ALOS-2)の「PALSAR-2」による 緊急観測を行いました。

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」は、地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探査の幅広い分野で利用されています。

だいち2号のPALSAR-2(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ)は、マイクロ波を地表に照射し、その反射波で観測をします。天候や昼夜に左右されないため、地震災害時などの建物の倒壊状況や地殻変動による地表の微細な変化などの観測にも役立ちます。また、観測モード(スポットライトモード)を追加し、1~3mの分解能を目指しています。以前の「だいち」との違いで、左右観測機能をもたせてあり、観測可能領域を向上(870km→2,320km)させることで、迅速に観測できる範囲を3倍程度にまで大幅に広げ、観測頻度を向上させています。

北海道胆振東部地震では、災害前の2018年8月23日に行った観測データと地震後の9月6日に行った観測データを付け合わせ地震の被害を表しています。地震による広範囲の被害をだいち2号の観測で詳細に捉えました。こうしただいち2号の迅速な観測により少しでも早い復旧、復興につながることを願います。



陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)による観測画像 | JAXA
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS-2/img_up/jdis_pal2_hokkaido-earthquake_20180907.htm


Wrote: 寺地