磁場がある中性子星から放出されるジェットを観測

太陽のような巨星が寿命を迎えると超新星爆発が起こります。爆発が起こった後その星は中性子星になることがあります。

今回観測された中性子星は、カシオペア座の方向で「Swift J0243 6+6124」と言う番号の星です。この中性子星は、周囲に伴星がありそこから引き込んだ物質によって降着円盤が形成されています。

※降着円盤:中性子星やブラックホールなど高密度天体の周りで形成される円盤。周囲のチリやガス、連星の一方から供給されるガスなど中心天体の重力に引き寄せられるが直接落下できず天体の周囲に円盤を形成している。

これまでの説では、強力な磁場を持つ中性子星はその磁場が妨げとなりジェットはでないと思われていました。
しかし、この中性子星をカール・ジェンスキー超大型干渉電波望遠鏡群で継続観測したところ電波放射の特徴から高速のジェットによって放出されていることがわかりました。

何故ジェットが形成されるのかについてはジェットの発生領域が中性子星から離れているためや、中性子星の自転によってエネルギーを獲得してジェットを形成しているなどいろいろ考えられているようです。似たような中性子星を観測することで今回示された新たな説を確かめられるのではないでしょうか。今後の観測に期待したいです。



従来の理解に反する、強い磁場を持つ中性子星からのジェット | アストロアーツ
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10208_jet

Wrote: 寺地