NASA パーサヴィアランスの火星での酸素生成についての論文を発表

 NASAは火星探査車Perseverance(パーサヴィアランス)が酸素生成実験装置「MOXIE (Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)」を使い、火星の大気に含まれる二酸化炭素から酸素の生成に2021年4月以降7回成功したと2022年8月31日にScience Advances に発表しました。

 パーサヴィアランスは英語で「忍耐強さ」を意味します。2020年7月に打ち上げられ、2021年2月に火星への着陸に成功しました。パーサヴィアランスに搭載されたMOXIEは、火星大気中から二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に分解する装置で、1時間あたり最大10グラムの酸素生成が可能です。

 MOXIEは2021年4月に酸素生成の実験を開始し、2021年末までに7回の実験に成功しています。火星の全ての季節で昼夜を問わず酸素生成の実証を行いました。それぞれの実験では1時間あたり6gの酸素の生成に成功しており、これは小さな木の酸素生成能力に匹敵するとのこと。MOXIEのサイズを大きくすることで、将来宇宙飛行士が火星で呼吸を行うことを実現し、かつロケットの燃料である液体酸素にも使用することも期待できます。

 MOXIEは気温の変動が大きい時間帯での稼働にはまだ課題があるようですが、大型化したMOXIEを火星に送り込んで、人類が火星で呼吸できる環境を整えることができれば、将来の火星探査の課題が一つ解決できそうですね。

参考URL

https://www.cnn.co.jp/fringe/35192637.html



https://www.space.com/mars-moxie-experiment-makes-oxygen



https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abp8636


Wrote: わたなべ