2021年2月19日に火星に着陸したアメリカの火星探査車パーサヴィアランスは火星の映像や音を届けてくれています。
そして、そのパーサヴィアランスに搭載されていた小型ヘリコプター「Ingenuity (インジェニュイティ)」がいよいよ初飛行を行うと発表されました。2021年4月8日以降に実施されるそうです。
インジェニュイティは重量1.8kgのヘリコプターです。幅1.2mカーボンファイバー製二重反転式ローターで飛行します。最初の飛行は、高度3mを最大30秒間ホバリングすることが計画されています。
火星の重力は地球の約3分の1、大気は地球の約1%と希薄です。地表に届く太陽エネルギーは地球の半分程で、夜には気温が摂氏マイナス90度まで下がる時もある過酷な環境です。そんな中でパーサヴィアランスの中からインジェニュイティがゆっくり慎重に地表に下されます。インジェニュイティは4本の着陸脚を畳み横に90度傾いた状態で格納されているそうです。インジェニュイティをまず水平に起こし着陸脚を展開する作業が行われ、そして地表に降り立ちます。この作業には火星で6日間かかるそうです。
パーサヴィアランスの電源にて充電され地表に下されたインジェニュイティはパーサヴィアランスとの距離や通信状態を確認し、搭載された機器のチェックやローターの回転テストなどを行い数日かけて飛行までの準備をします。
インジェニュイティの初飛行の様子はパーサヴィアランスに搭載されているカメラで撮影され地球に届けられます。史上初の火星の空を動力飛行するインジェニュイティの姿を見るのが楽しみですね。
Wrote: 寺地