ウェザーニューズとエヌビディアがAIで全世界の雨を見える化

9月14日東京でエヌビディア社のカンファレンス「GCTjapan」が開催されました。エヌビディアはグラフィックスチップで有名な会社ですが、ディープラーニングやAIの分野でも注目されています。カンファレンスでは約5000人もの参加者がいたそうです。その中で今回取り上げるのがウェザーニューズ社とのコラボで世界規模での降水分布をを作る計画です。

日本国内で降水分布を調べるのは簡単です。気象衛星ひまわりの画像や雨雲レーダーを解析すればおおよその分布を調べられます。しかし、他の国も同じように調べられるかというとそうではありません。なぜなら、雨雲レーダーをあちこちに設置したり、気象衛星を飛ばすのには莫大な資金が必要になるからです。

今回のウェザーニューズの発表では雨雲レーダーなどの気象インフラを持たない国でも降水分布をAIを使って調べます。気象衛星から来る画像データやこれまでに日本で得られた気象データをもとにディープラーニングでAIに学習させ、各地の降水分布を割り出します。気象にAIを導入することで気象インフラが整っていない国でも降水分布から災害を予測し住民の避難などに役立てる事ができるのです。

気候変動などの影響から各地で気象災害が多発する中、特に東南アジアなど大雨災害の多い地域では、気象状況の把握や詳細な予測が重要なテーマとなっています。ただ、その実現には大きく3つの課題点があります。
<全世界の降水分布を可視化・予測する3つの課題>
(1)気象観測インフラの整備や、それら技術を運用するための人材育成などの面で発展途上の過程にある国が多く、実現には莫大な費用と時間を要してしまう
(2)海上など気象レーダーの観測範囲外では雨を捉えられない
(3)既存の物理モデルをベースとした予測技術が限界に近づいている



ウェザーニューズ、全世界の降水分布を高精度に可視化・予測するAIプロジェクトでNVIDIAとコラボレーション | Weathernews Inc.

ウェザーニューズ、全世界の降水分布を高精度に可視化・予測するAIプロジェクトでNVIDIAとコラボレーション



wrote: 寺地